【保険業界温故知新⑨】<最終回>新型コロナ禍の中での学びの場の確保
<第9回・最終回>
本シリーズコラムは「学び」をキーワードに
瀬尾保険研究所の瀬尾社長とのリレー形式で温故知新風にメッセージをお伝えしてきました。
コラムを開始した時にはすでに新型コロナ禍が世界中を脅かし始めていた時期ですが、
これほどまでに長く、根本的な解決策も見いだせない状況になるとは思いもよりませんでした。
これからのウイズコロナ、新型コロナとの共生、新たな新型感染症との向き合い方などは
「学びの場」においてどのような影響をもたらしてくるのかを考えてみました。
保険業界において今までの学びのあり方の一つは、講師によるリアルなセミナーでした。
対面式なセミナーは受講者においては目と耳だけでなく体全体で受け止めることができる、その場にいた同僚と意見交換ができる、講師との名刺交換などをしながら個別の質問や親しくなる一歩となるなどのメリットがありました。
講師側においても会場にいる参加者の反応を直接感じながらテーマの進行ができ、その場だからこその枝葉の話もクッションとして提供できるなどのメリットがありました。
いま、そのような環境での学びの場は期待できずZoomなどを活用したオンライン型セミナーが主流となってきています。
セミナー品質は操作技術の向上やソフトの機能の充実により間違いなく良くなってきているはずです。
参加する側においても
①移動時間が不要
②参加費コストが低減する
③社員も一緒に学べる
④当日参加できなくてもアーカイブ視聴ができる
⑤参加者人数が広がる
などのメリットがあります。
しかしながら、オンラインセミナーでの課題を最近体感することとなりました。
それは、リアルセミナーよりも飛躍的に参加者が増えているケースと横ばいというケースがあるということでした。
参加者が増加することは主催者側の事前準備や告知などが十分に行われていることがあるでしょうが、リアルセミナーと同じ課題は参加者側に残っているということです。
まさに学ぶことが会社や個人が成長していくための糧となるという意識の問題です。
自分に投資するとよく言われますが、投資の一つの形がセミナーなどで情報を得て吸収し発信力を増していくことです。
投資には資金や時間が必要です。
小学校から中学校、そして高校と進んでいくにも資金と時間が必要と同じように、
社会人となった今でもこの二つの要素が必要なくなる訳ではありません。
学生時代には資金を親などが負担する、時間は自分自身が負担するという形でしたが、
社会人は資金と時間を自分の意思一つで動かすことができます。
新型コロナ禍においてすべての事業が見直しや縮小の課題に直面してきています。
これからも数年は続くかもしれません。
教育事業の現場にもその波は襲いかかってきています。
ヒトや企業を成長させていく教育や学びの場をどのようにして維持し、柔軟性を持たせていくのか。
解決のヒントは「意思の力」ではないかと感じています。
またいつか、読者の皆さんへメッセージを発信できるように私自身も学び続けていきます。
全9回のシリーズコラムをお読みいただきありがとうございました。