【執筆者紹介】
瀬尾好成 様:保険業界の教育出版物の企画製作を行う、株式会社保険教育システム研究所の代表を務める。現在は瀬尾保険研究所にて代表として従事。
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<第4回>
前回は
「教育にもゴールはありません。学び続けていく個人が所属する組織は成長を続けていくはずです」
という締めの言葉をお届けいたしました。
この数年間は特に募集人教育が極めて重要だということは認識されてきていますが、
歴史を振り返ってみると「私の背中を見て学べ!」という
ややもすると前近代的な教育の場面に遭遇することが多々あったと記憶しています。
教育は時代を写し取っていくのではないかと考えていますので、
師匠が弟子を育てていくようなマイスター制度も否定はできないとは思っています。
しかし、時は新時代のスタートの令和ですので、現代の教育と学びの実態と期待することについて考えていきます。
粕谷さんからバトンを受けた2回目の内容は、「組織教育と個人の学び」についてです。
長年、保険業界の中で書籍出版企画をしている中で感じていたことがあります
。
それは、この本がどれだけの方々に読んでいただけるのであろうかということ、
そして、価格は幾らであれば手にとっていただけるであろうか、ということでした。
今は電子書籍やPDFなどITの進展によって、リアルな書籍の制作とは違った情報伝達方法が出現してきています。
電子書籍などは手軽に安く多くの方が購読できるので便利になったものだと思います。
リアルな書籍には色々な苦労がありましたが、
制作コストと販売価格の設定課題は避けられないことでした。
保険業界において教育の第一番は各種保険資格の取得でした。
この資格取得教育は必須であるため、この費用の捻出は当たり前と考えます。
保険商品資格以外の関連資格についてはどうでしょうか。
こちらは会社ごとに位置付けが違うかもしれませんが、
必要と認めた資格取得費用は人材育成の投資コストとして考えると安いといえます。
では、もう少し広い保険関連情報や知識の習得についてはでしょうか。
多くは個人の費用での学びとして位置付けられていると思われます。
今回のテーマは組織教育と学びの違いですが、
一言でまとめると組織(=会社)教育で重要なことは、
その会社で定めた必要な知識や情報について学ぶ場を設定することであり、
個人の学びで重要なことは、
自分自身の成長や生きがいの充実を得るための自分への投資を行うことでしょう。
これは私自身の長年の経験からの感覚ですので異論があるかもしれません。
個人の学びについては、今や溢れんばかりのコンテンツを探すことができます。
その際にそれが有料媒体であったとしたら、有料だからこその制作者側の価値を見つけてあげてください。
生き生きとした社員が生き生きとした会社で働くことこそが私の熱い想いです。
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