<第7回>
保険業界温故知新シリーズのメルマガのスタートは、
ちょうど新型コロナの目に見えない不安と予想できない生活や仕事のサイクルに頭を悩ませ始めた頃でした。
すでに第一波、第二波、第三波の大きな波に立ち向かう中で、「教育」のあり方も大きな変化をせざるを得ない状況となりました。
全国の小学校などが一斉休校になったり、大学では憧れのキャンパスライフではなく、オンライン授業やゼミは、かつてない経験であり、家族も本人も戸惑うばかりというニュースを耳にしました。
さて、社会人の学びの変化はどうだったのでしょうか。
入社式もない、一定期間を要する集合型の新人教育も開催できないなど、学生と同じような制限を主催者と参加者双方に課せられたことはご承知のとおりです。
この期間に何も得ることはなかったのかを改めて考えてみると、学びの場にも大きな変化を見つけることができました。
それはwebの活用によるもので、オンラインセミナーにおいての効果は3点ありました。
1つめはリスクの軽減、2つめは費用の軽減、3つめは時間の軽減です。
リスクの軽減はリアルなセミナー会場での飛沫感染や往復時の感染経路不明に対する防衛、
費用の軽減は会場費用含めた運営費、
時間の軽減は往復時間を考えずにどこでも参加できるということです。
セミナー講師側から見ると、今までは目の前の参加者の表情や手元の動きを肌で感じながら、臨機応変に進行を調整していたことができない難しさを感じ、
間を置きながら話すのではなく、話し続けることが必要だと思い、セミナー後はどっと疲れが出ることもありました。
これは双方ともに慣れないせいもあるのですが、10年前であれば、こんなにも簡単にweb活用はできなかったはずです。
学びの場の変化は全く予測もしていなかった外的要因の新型コロナがもらたしました。
物事を考えるにはネガティブな面とポジティブな面を持たなくてはいけないと思いますが、SWOT分析流にいえば外部環境の機会と脅威をどのように捉えるかとなります。
すなわち、新型コロナ禍をピンチとするのかチャンスとするのかの置き方によって、自社内部の強みをクロスさせた具体策が変わります。
新型コロナ禍をピンチと置くならば、社員教育のあり方を変える、一例であれば社員への機材貸与やIT活用スキルの向上を行うなどの弱みの克服につながる、
チャンスと置くならば、時間とコストを削減しながら多くの社員への教育が同時にできるようになり、情報量の吸収スピードが上がることになります。
今、間違いなく教育・学びの場の変化が到来しているので、あとは経営者がどのように対応することが必要なのかを真剣に考えるべき時です。
新型コロナの収束は全く見えない中で、勝ち残るのは「学び続ける組織」のはずです。
保険業界においてもオンラインセミナーは今や多数開催されています。
リスクを避けた学びの場を自ら見つけることも自立経営の一つです。
次回は12月に、瀬尾保険研究所の瀬尾好成氏の第4稿をお届けします。
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