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【改正保険業法を考える④】 体制整備と態勢整備

作成者: 松本 高明|2017/09/21 6:09:42

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この二つの意味は違い、体制整備はハードであり態勢整備はソフトです。

 

金融検査で重要視されるのは態勢整備です。

社内規定を制定しても機能していなければ無意味だからです。

手っ取り早い確認の一例が募集人への販売ロープレであり、その検査により、全ての募集人の知識と意識と行動に浸透しているかが確認できます。

 

金融庁は改正保険業法が形骸化せず、適切に運用するためのPDCAの徹底を望んでいます。

 

体制整備はPであり態勢整備はDCAです。

特にCAが重要で、定期的な点検・確認(C) → 必要に応じた基準やルールの改定(A)→ 教育・研修、募集(D)と言ったサイクルが必要です。

そしてCを可能にするためのDの内容の記録・保存が必須です。

 

改正点の主なポイントは以下の3点です。

1.体制整備義務(募集管理規定、個人情報管理規程等の制定、教育)

2.意向把握・確認義務(顧客の意向を把握する営業プロセスのルール)

3.情報提供義務(注意喚起情報等の提供、比較・推奨の規制)

 

従来の保険業法の規定は、「不適切な行為の禁止」であり、「何々をしてはならない」という考え方ですが、改正保険業法はこれに加えて上記1~3の「何々をしなければならない」とする法律です。

そして本当に「している」ことを、エビデンス(証跡)をもって証明できなければ意味がないのです。

 

改正保険業法が施行されて1年4か月が経過しますが、体制整備を行ったことで一安心し、その後の態勢整備がおろそかになっていないでしょうか?