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【改正保険業法を考える⑧】:「発想の転換が必要です。」

作成者: 松本 高明|2017/11/17 2:42:25

ほとんどの保険代理店の皆様は、顧客の視点で募集を行ってきたと思われますが、一方では目標達成のエネルギーが強く働いていた一面があったことも事実です。

 

生命保険協会の統計によりますと、平成29年4~6月の生保全社の苦情合計件数は163,143件となっています。

単純に4倍すると年間では652,572件となり、一日あたりでは1,787件と推計されるのが現実です。しかも生命保険だけに関する数値です。

 

ではこれからの保険募集に関して何を心掛ければ良いのでしょうか?

それにはまずマクロ的な視点で考え、発想を転換する必要があると思われます。

 

現在の日本の人口は、全体で純減、少子高齢化、非婚化、生産人口の減少(特に地方)、このトレンドが何年も続いています。

このような状況では誰が考えても、終戦後に日本が経験した急激な復興と高度経済成長はもうあり得ないと思うのは当然です。

経済は人口の規模に応じた下降トレンドになるか、ごく穏やかな上昇トレンドに留まると考えるのが普通です。

 

金融庁は、ことあるごとに「現在の規模拡大を指向したビジネスのやり方が、いつまで持続可能か懸念」と発言しています。

マーケットの実態に合わない量的拡大を今後もひたすらに目指して行けば、需要と供給の適正バランスを欠き、販売に無理が生じ、顧客との利益相反が起きてきます。

 

金融庁が「顧客本位の業務運営に関する原則」を作成し、顧客との利益相反に最大限の注意を促すとともに、販売量に応じた手数料やキャンペーンに否定的なことの原点はここにあります。

 

量的拡大(競争)から、質的拡大(競争)の流れにしていくためには、保険会社も保険代理店も関係者の全ての足並みが揃わないと実現は困難ですが、如何に困難でもこの流れを変えて行くことが顧客のために必要だと痛感します。

 

これは保険業界を越えて、日本の伝統的な全ての経済活動に共通した問題でもあるのです。

 

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