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【改正保険業法を考える⑭】具体的に何が変わったのか?

作成者: 松本 高明|2019/05/06 22:30:00

改正保険業法で何がどう変わったのか、分かっているつもりでも具体的に人に説明できない。

このような時のために、以下に改正の要点を纏めてみましたので参考にしていただければと思います。

 

大きく変更された概念は、これまでの保険募集の際の「不適切な行為の禁止」の規制に加えて

「積極的な顧客対応」として体制整備義務、意向把握義務、情報提供義務が求められました。

 

つまり「やってはいけないこと」の規制に加えて「やらなければならないこと」の規制が追加されました。

当然のことですが、「やらないでいること」が業法違反となってしまいます。

 

多くの保険代理店に共通する主な改正条項は、294条、300条、303条、304条、305条で、以下に要点を記載します。

 

第294条1項:

提供すべき情報が所属保険会社の商号等に限定されていましたが、「顧客の保険加入を判断するのに必要な情報」の提供に再定義された。

個々の情報が何であるかは「契約概要」と「注意喚起情報」に大別され、それぞれ監督指針Ⅱ-4-2-2に具体的に記載されています。

 

第294条2項:

「意向の把握・確認義務」が追加され、情報提供義務と同様に「積極的な顧客対応」が求められました。

 

第294条3項:

保険会社にのみ義務付けられていた「体制整備義務」が「保険募集人」(代理店)にも求められました。

これにより代理店は自立することが必要となり、保険会社同様に金融庁の検査を受ける立場になりました。

  

第300条1項:

「保険契約の契約条項のうち重要な事項を告げない行為」から「保険契約の契約条項のうち保険契約者又は被保険者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項を告げない行為」と重要事項が限定されました。

 

第300条 第304条:

15社以上の乗合代理店、もしくは2社以上の乗合代理店でかつ年間合計10億円以上の手数料・報酬を受けている大規模代理店に対して、保険会社と同様に毎年帳簿書類の作成・5年間の保存と財務局への提出が求められました。

 

第305条:

代理店の委託先に対する報告徴求・立入検査権限を整備することが

求められました。

 

 

次回に続く

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