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【CRM(顧客管理システム)市場シェア‐大手志向の日本、実利を取るアメリカ】

作成者: 望月 重成|2017/10/12 2:22:03

先日シリコンバレーのベンチャーキャピタリストの友人と一緒する機会があり、今日のアメリカにおけるCRMパッケージソフトの市場シェアについて興味深い話を伺いました。


彼曰く、有力大手四社のCRMパッケージ(セールスフォース、SAP、Oracle、マイクロソフト)の米国市場に於けるシェア合計は現在約30%程度に過ぎず、その占有率は今後も下がる傾向で、その他70%は中小の様々なパッケージが占めているとのこと。

 

個人的には上記大手四社で市場を殆ど占めているイメージがあったので、ネットでリサーチしてみると確かに友人の言う通りでした。

(2015年統計: http://www.crmsearch.com/crm-software-market-share.php

 

一方日本の状況についてリサーチすると、同大手四社の占有率が約6割~8割、と真逆の状況でした。

(2016年統計:http://www.keyman.or.jp/at/30009186/

 

 

今日ではクラウド技術の発達に伴い、中小パッケージベンダーがAWS(Amazon Web Service)など、セキュリティも万全の環境上にシステム構築可能となり、SaaSとして安価にサービス提供可能になったことが背景とのこと。

その中でも業界を熟知した業界特化型のCRMパッケージがよく売れているとのことでした。

 

確かに、大手のパッケージは汎用的で様々な業界に適用できる反面、その業界特有のプロセスやデータの持ち方などに対応するには莫大なカスタマイズ費用が発生し、使い勝手にも悪影響が出る可能性があります。

 

それであれば、最初から完成度の高い業界特化型パッケージのほうが使い勝手が良いとのことでしょう。

 

日本はまだまだビジネスの様々な場面で大手志向ですが、アメリカは本当に有益であれば中小ベンダーのパッケージ採用を厭わない実利を優先する傾向があると言えます。

 

日本も今後はアメリカと同様の流れになっていくことが予想されます。