【改正保険業法を考える⑦】：「お客様第一と言ってきたのに。」②

前回のブログで記載しましたように、多くの保険代理店は「顧客第一主義」を掲げて保険を普及し、社会貢献に誇りを持ちながら仕事をしてきました。

その気持ちは純粋であり、ゼロから代理店を興し多くのお客様を保有するまでに成長したとあれば猶更です。

そして競争の中で成長をするために、高く掲げた目標を達成しそれに見合うインセンティブを得ながら利益を増やし、事業を成長させてきたのです。

これは経済活動として当然です。

問題は目標が未達成では評価されないことから、顧客に特定商品を「必要以上に無理して」販売することが常態化していなかったのかと言うことです。

契約に際して確認した顧客の意向とは、「誘導」の結果なのか「説明（啓発）」の結果なのかは大きな違いです。

顧客の理解度にも左右されますが、意図的な「誘導」が強すぎると問題を生じます。

売り手ほどの知識のない顧客は、募集時の説明（話法）に影響され、売り手が目標や利益を強く意識すればするほど、顧客との利益相反を起こしやすくなります。

「その懸念は一度もなかった。」と皆が言えれば、これほど多くのクレームは起きていないでしょう。

ある保険代理店主の方は、「募集の成功のコツは、ファーストコンタクトでは保険を売らないことだ。」と言っていました。

また中古車セールスで日本一になった営業の方は、「その車の全ての問題個所を隠さず

説明することから始める。」と言っていました。

この二つの話の共通点は、顧客に与える安心感です。

ではこれからの保険募集に関して何を心掛けるべきか？　

次回に続く。